
MatTek社カバースリップキット(CSGK/F-F)で出生前診断が5~6日で可能に
ある研究室の実際のプロトコル
手順:
- 羊水を遠心チューブAと遠心チューブBに入れ、800RPMで10分間遠心します。
- ペリットの大きさを記録します。上澄みを2つの滅菌済みチューブに保存します(1つはαフェトプロテイン分析用、2つ目はバックアップ用)。
- チューブAとチューブBを再度5mlと2.5mlの培養液(Chang完全合成培地:Chang - 90ml + 基礎培地A - 10ml、Lグルタミン(200mM) - 1ml、ペニシリン(10,000u/ml)とストレプトマイシン(10,000ng/ml)溶液を1ml、またはMEM(完全 - 75ml、Chang完全25ml))にて遠心します。
- 35mmペトリディッシュに入ったカバーガラスにそれぞれ5mlの懸濁液を添加します。カバースリップからこぼれない様に注意します。(培養開始前にペトリディッシュの上部・下部にそれぞれ番号を付けておきます。)
- ディッシュを37℃のCO2のインキュベーターにて48時間培養します。
- 48時間後、新しい培地を2mlずつ追加して培養を継続します。
- 倒立顕微鏡で培養経過を毎日観察します。4日目に培地を新しいものに取替ます。
- 充分な成長が確認できれば5日目で培養の採取を行います。
In Situ培養の採取:
- (22 1/2針を使用して)各培地2mlに対してコルセミド溶液を2滴ずつ添加します。
- 1時間15分インキュベートします。
- 静かに培地を取り除きます。ディッシュを片方に傾けながら、ピペットで徐々に吸い出します。カバーガラスには触れないように行います。
- (事前に37℃に温められた)低張液を各ディッシュに2mlずつ丁寧に添加します。
- 常温で20分放置します。
- 低張液にメタノール3に対して酢酸1で作成した固定液を1ml添加して5分間放置します。
- 溶液を静かに取り除き、新しい固定液を2ml添加して20分放置します。
- 10~15分毎に上記手順(7)を2回繰り返します。
- 最後の固定液の交換後、次の手順でカバースリップの処理を行います。
- ペトリディッシュから固定液を静かに取り除きます。
- カバースリップの乾燥:周囲温度や相対湿度を含めた乾燥環境は、in situ採取での染色体の適正な展開に大変重要です。最善の環境は施設によって標準化されるべきです。周囲温度24~27℃で相対湿度が50~60%が適した環境とされています。染色体の展開はカバースリップの上から静かに風を送ることで促進できます。
- カバースリップは先の丸いピンセットで慎重にペトリディッシュから取り出します。(ペトリディッシュの下半分の中央部を指で押しながら行います。)
- カバースリップのマウント-カバースリップはトルエンかキシレンをベースとした保存液を使用して、標準ガラス顕微鏡スライドにマウントします。Pro-Texx(Braxter Scientific Products)や他のトルエン/キシレンベースの保存剤をトルエン(又はキシレン)で1:1に希釈したものが良いでしょう。カバースリップを顕微鏡スライドの上に平にマウントすることが正確な染色体検査で重要です。
Ⅰ.細胞付着面を上にしての手順
a.カバースリップの底面をきれいに拭き取ります。
b.顕微鏡スライドを平に置き、顕微鏡スライドに保存液を2滴添加します。
c.カバースリップの細胞付着面を上にして保存液の上に置きます。顕微鏡スライドを移動する前に、
保存液が広がるのを30秒程度待ちます。
物理的にサンプルの保護が必要な場合は、更に保存剤をカバースリップの上に2滴添加し、
通常のガラス製カバースリップをサンプルの上から被せます。
d.マウントされたカバーガラスを室温で10分放置します。
粘性の低いトルエンやキシレンベースの保存液の使用と充分な乾燥時間が、
高倍率での焦点合わせに大変重要です。
e.カバースリップが乾燥したら、60℃で2時間過熱します。
f.カバースリップの乾燥後、通常のGTGバンディングや染色が行えます。
14.染色体の検査
油ベースの浸漬液を使用します。液は油浸対物レンズの染色体の上から添加します
(サンプルの上からもカバースリップを使用している場合は、そのカバースリップの上から添加します)。
注)浸漬液では脱色や染色体変質は起こらないはずです。
MatTekカバースリップキットの特長
- 一般的なガラス製カバースリップに比べ細胞の初期接着が優れています。
- 一般的なガラス製カバースリップに比べ細胞の成長が早く、採取が早く行えます。
- コロニー生成の改善が見られます。
- 染色体処理やカバースリップのマウント時にカバースリップが割れません。
- ペトリディッシュとカバーガラスは洗浄・滅菌済み・即使用可なので汚染の可能性が最小限で済みます。
- 一般的なカバースリップで必要な火炎処理・洗浄・滅菌が必要ないので、試験者の時間の短縮が出来ます。

詳細が必要な場合は下記を参照して下さい。
Mathews, T., Verma, R.S. “Enhancement of amniotic fluid cell growth for genetic amniocentesis,” Clin Genetics,40(3), 190-193(1991).
※MatTek社のカバースリップキットのお取り扱いもございます。
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品 番 | ディッシュ径 | カバーガラスサイズ | カバーガラス厚み | コーティング | 入数/箱 |
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CSGK/F-F | 35mm | 22×20mm | No.1.5 (0.16〜0.19mm) | なし | 500個 |